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10 カミサマなんて知らない

殺人的な一週間が終わって何も考えずに眠れる事の幸せを知る。知ってたけど。
そんなわけでこの嬉しい気持ちで更新です。

「祈る」10のお題から。
聖書の話は授業でほんとにやったんだけど、あんまり聞いてなかったので曖昧な記憶でなんとか。たぶん間違ってる。信じない方がいい。
でも、割と気に入っているモノだったり。
これぐらいの長さのやつで定期的に更新できたらいいんだけど、書き出すとなぜか長編になってしまって。なかなか歯痒い。

あぁっと、やはり前置きが長く。いかんな語り症は。
ではまた、大体一週間後くらいに…。





10 カミサマなんて知らない



―神様って、信じてる?―

「は?」

突然の問い掛けに、私は素っ頓狂な声をあげた。
冗談として笑って流そうかとは思ったけれど、彼女の方は真剣らしく、力強い眼差しを私に向けていたので無難に苦笑で返した。

「い、やぁ・・・、どうだろうねぇ?」
「・・・実は、バカだと思ったでしょ?」
「のんのん」

図星を突かれたが、冷静に首を振っておく。
しかし、わざとらしさが見え見えで、否定にはなっていないと思う。
その証拠に、ほら、彼女が拗ね始めた。
眉を寄せて唇を尖らせた、典型的な表情をして。
そんな顔さえ。

「ねぇ、どうなの?」

睨みたいだけ睨んだのか、挟んだ机からずいっと身を乗り出して彼女が詰め寄ってきた。
私は背を仰け反らせて、彼女から逃げる。
お願いだから、そんな瞳で覗き込まないで。
バレると困るんだ。本当に。
頼むから、近付かないで。

「かみさま・・・」

話題の中心人物の名を呟き、私は答えた。

「いると、いいね」

嘘じゃなかった。

「あー、そうやって曖昧にして誤魔化すんだー。本当は、全然信じてないくせにー」
「ちがうって。まぁ、そんなに信じたりはしてないけど。いることに越したことはないって意味」

答えは嘘じゃなかったけど。ほんの少し前なら、本当にそう思ってたけど。
それは、他の誰かだったらの話。相手が彼女なら、反応は全く別だ。
彼女が望むなら、その"神様"はいなくてはならない。
彼女以上に信じるから、彼女のために、存在していろ。

「なんか、現実的ー」

つまらなそうに、彼女が唸る。

「どうして、急にそんなこと?」
「今日、世界史の授業で世界のはじまりの話があったでしょ?」
「うん」

聖書の話で、この世界は神様が創りだしたってキリスト教では言われているらしい。
同時に、初めての人類であるとされているアダムとエバも、神様が創ったと。

「偉い学者さんとかはあんな話信じないで、星と星がどーの、人間はサルの進化系だのって難しい話に置き換えちゃうじゃない?」
「それが、その人たちの仕事であり興味だからね」
「なんかそういうのって、全部偶然にされちゃったみたいでヤなの。天文学的な数字の中から、何かの弾みで生じた"偶然"」
「それじゃ、ダメなの?」
「偶然は、その場限りじゃない?その後のこととか、地球ができたこと以外は無意味だって言われてるみたい」

私たちがここに居ることも。そう、彼女は続けた。

「でも、神様が創ったとしたら、無意味なことなんて無い気がするの。だって、創造主の意思ですべては生まれたんだもん」

嬉しそうに、彼女は生き生きとした目で語る。

「人がこの"カタチ"で生まれたことも、偶然なんかじゃなくて、神様がそうしようって思ったからなんだよ?」
「意思には意味があるから、無意味なことは無い。って?」
「そう!そう考えると、すごいなぁって思わない?」

透きとおった純粋な問い掛けに、私は静かに笑って頷いた。
本当に、神様は凄い。
彼女にこんな風に思われるのだから。
妬ましく、羨ましい。
神様はいると、彼女は信じ続けるのだろう。
だから私も、いればいいと思う。
でも、神様が実在するなら。

むしろ、私は憎むのだろう。

私を彼女に逢わせたこと。私と彼女の間にもどかしい距離を置いたこと。私を"私"とし、彼女を"彼女"としたこと。
私は、神様を憎まずにはいられない。
そして、怯えるのだろう。
神様は、あまりに大きすぎるから。太刀打ちするには、強大だから。
咎められることを、恐れている。

私は、反逆者。

「と、なると。ここにいることにも、意味はあるんだよね?」
「え?」

落ちていた視線をあげると、彼女が頬に西日を受けて、とても綺麗に笑っていた。

「みんなと出会ったことにも、きっと意味があるんだよ」
「私と、出会ったことも・・・?」

そう問いかけるだけで、声が震えた。

「もちろん」

溢れそうな何かを押し込めると、息が詰まって苦しかった。

「だから、これからも、一緒」

冒涜だと追及されても。

「きっと、ずっとね」

背徳だと軽蔑されても。

「約束だよ?」

神様の存在なんて気にならないぐらい。

「・・・うん」

彼女が、好きだ。



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2009年02月22日 | [10のお題]祈る | コメント 0件 | トラックバック 0件 | トップ

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