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第二話「チョコレートパニック(前編)」 (2)

今回は区切りやすいような区切りにくいような…。
てか、お酒入りチョコって酔うのかな?(えー





チョコレートパニック(前編)



「あー、意外と普通だー」

駅で待ち合わせをしたあとに、彼女をマンションまで連れてくると、そんな感想が上げられた。

「いきなり失礼なこと言わないの」
「いや、だってさ、先生って高級マンションとかに住んでるイメージがあったから」
「一介の教職員がそんなに儲かるわけないでしょ」
「へー」

未だしげしげとマンションを見上げる彼女を置いて、中に入っていく。

「いつまで、そうしてるつもり?」
「あっ、待ってって!」



彼女を部屋に通して適当にソファに座らせ、お茶の用意をする。
カウンターキッチンから見える彼女は、どこかそわそわして落ち着かない。

「挙動不審よ?」
「えっ?あ、あぁ、うん、大丈夫」

思い切り慌てているくせに、何が大丈夫なのか。

「ほら、これでも飲んで落ち着きなさい」

キッチンから出てきながらそう言い、テーブルに二人分の紅茶を置いて床のクッションに座った。

「い、いただきます」
「なに緊張してるの」

からかいを含んだ笑みを見せて、カップに口を付ける。
紅茶を飲もうとしていた彼女は、危うく溢しそうになりながら反論をしてきた。

「そっ、そんなことないもんっ!」
「隠せてないわよ?」
「むきー」

ふくれっ面になってもちゃんと飲むところは、しっかりしてる。
しかし、飲んだ後も彼女はカップから口を離さず、そのまま私を覗き込んできた。

「学校以外で先生に会うなんて初めてだしさー。お泊りなんだもん」

緊張しないわけないじゃん、と拗ねた口調で彼女は言った。
ついさっきまで否定していたのに急に素直になるから、こっちも対応に困ることを彼女は知っているのかしら。当然、知らないと思うけれど。
ともかく、私を困らせた罰は受けてもらわないとね。

「・・・それじゃ、緊張を解してあげるわ」
「ん?」

カップを受け皿の上に置いて、彼女が抵抗する前に彼女のカップを同様に置き、ソファに押し倒した。

「お、おぉ?」

手首を掴んで顔の横に押し付け見下ろすと、垂れた髪が彼女の頬を掠めた。

「ちょ・・・、いくらなんでも、早すぎじゃ・・・」
「あなたのためよ」
「そんなわけ・・・」
「静かに」

その言葉を実行するため、唇で声の発信源を塞ぐ。
後に聴こえるのは、“音”だけ。

「ん・・・んん・・・っ」

昨日の分までたっぷりと味わうため、深く押し付けて舌を差し込む。
彼女は小さく震え、同時に舌を奥の方へ逃がしていった。
だが、私もそれを追い、難なく捕らえる。

「んんンっ・・・、ふ、ぅ・・・」

お昼時の日差しが、カーテンを開け放った部屋を照らす。
電気もいらないぐらい外は明るくて、きっと、彼女は恥ずかしがっているのだろう。
人工的なものと自然なものとの違いは、意外にも大きく影響する。まぁ、彼女の場合は、なのだけれど。

「ぁ・・・ふぁ・・・っ、ん・・・」

だんだん、抵抗が弱まってきた。
これで嫌だなんて言えなくなるだろうと、そっと唇を離す。わざと、糸を引くように。
キスの直前は不安そうな目をしていたのに、今はもう恍惚とした表情になっている。
そんな彼女に微笑みかけて、首筋に口付けをしようとした、その時。

ぐきゅるるるぅぅ

「え・・・?」

とても奇怪な音が聞こえてきた。それも、真下から。
顔を上げて彼女を見ると、頬を赤く染めて慌てていた。

「いやっ、今のは・・・!」
「言い訳しても無駄よ?」
「はうあっ」

妙なリアクションだけど、凹んでいることはなんとなく分かった。
それも、そうでしょう。これから情事に及ぼうというときに、“お腹が鳴った”だなんて。緊張を解しすぎたかしら。

「まぁ、お昼時だから分からなくもないけど・・・ねぇ?」
「ご、ごめんなさい・・・」

眉を八の字に垂れさせて謝る彼女が可哀相に思えてきて、許しを示すように髪を一撫でしてから、ソファから立ち上がった。

「そうね、私も、まだ何も食べてないからお腹が空いたわ。何が食べたい?作ってあげるわよ?」
「ん・・・、うん・・・」

ソファに横たわったまま起きる気配も見せないところ、かなりのショックを受けているようだ。
心中、自分のことを責めているのが見ているだけで分かる。
まったく、手のかかる子。

「私はね、好きなものを最後に残す主義なのよ」
「へ?」

床に膝を突いて、なるべく彼女と目線を同じにして言った。

「先に面倒なことを色々終わらせてから、好きなものをじっくり味わいたいの」
「うん・・・?」

何を言いたいのか分からないという目をして、彼女は首を傾げる。

「だから、続きは、最後のお楽しみ」

そう言って、額にキスをした。

「先生・・・」

ポツリと声を漏らして、彼女はソファに座りなおし、私に向かって言った。

「お腹空いた」
「・・・・・・」

私は再度立ち上がり、キッチンに向かうため、彼女に背を向けた。
そして、一歩を踏み出す前に、独り言のように告げる。

「そういえば、椎茸があったから、それを使い切っちゃおうかしら」
「私の天敵だと知ってるのに!?」



「ね、ホントにシイタケ使っちゃダメだよっ?」
「何度も聞いたわよ」

フライパンを振るいながら、カウンター越しに話しかけてくる彼女の相手をする。
効果がありすぎたらしく、さっきから同じ台詞を繰り返すのだ。

「お腹空いたー。あと、どれくらいー?」
「それも聞き飽きたわ」
「だってー。朝から何も食べてないんだもーん」
「緊張しすぎて?」

少し黙らせるために、笑ってそう言ってみせる。
すると、図星だったのか、狙い通りに彼女は口を閉ざした。しかし、それも一瞬。

「う、うるさい!悪いか!」

僅かに顔を赤くさせながら、事実を認める言葉を叫んだ。

「あー、もうっ、喉渇いた!冷蔵庫漁るよ!」
「いいけど、お茶ぐらいしかないわよ?」

食器棚からお皿を出そうとしている私の後ろを通った彼女に言った。
お茶以外は水やお酒だから、彼女が飲みそうなものはそれぐらいしかない。
まぁ、今の彼女なら水でもなんでもいいんだろう。焦りを誤魔化したいだけなのだから。

「へぇ、ちゃんと整理されてんねー」
「冷蔵庫の中身にまで感想漏らしてないで、さっさと出しなさい」
「はーい。・・・おっ」

お茶を見つけたのか、冷蔵庫から物を取り出す音がした。
私はそちらを振り返ることなく、いい感じに出来上がった炒飯をフライパンからお皿に移していく。
コップの位置を教えると、返事はしたものの、コップを取り出さないまま彼女は台所を出て行った。

「?」

不思議に思い、炒飯をお皿に乗せ終えてから私もリビングの方へ出てみる。

「黒木さん、なにを・・・」
「ん?」

さっきと同じ位置に座った彼女の手元には、正方形の箱が。
中に入っていた九個の球状の黒い塊は、既に半分近く無くなっていた。
それは確かに彼女の物になるはずの物だったけれど、色々問題がありすぎる。

「あなた、それっ・・・!」
「え?あ、えっ!もしかして、食べちゃダメだった!?」

私の慌てた様子を見ると、もうすぐ五個目に手を伸ばそうかという彼女も慌ててテーブルに箱を置いた。
でも、もう手遅れ。きっと、急速に彼女の体にはアルコールが回り始めてるに違いない。
やってしまったと溜め息を吐いて、未だ焦っている彼女の横に静かに座った。

「ご、ごめんなさいっ!先生チョコ食べなさそうだし、いらないのかと思って・・・」
「いいから、落ち着いて」
「あの、あのね、二個ぐらいにしようとおもったんだよっ?でもね、おいしかったから・・・」
「それは良かったわ」
「あ、待たなかったこと怒ってる?大丈夫だよ、ちゃんとご飯も食べれ、る・・・?」

お酒を多めに使ったウイスキーボンボンを間も置かずにパクパク食べた彼女は、案の定、体をグラつかせ始めた。
いくら私が食べなさそうだからといって、他人の家の物を勝手に食べるからよ。
と軽くお説教をしたい心境だったが、今の彼女に言っても仕方ないと思い、とりあえず彼女の体を支えた。

「なに・・・、これ・・・」
「大丈夫よ、心配しないで。ベッドに行くけど、立てる?」
「ん・・・」


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2009年03月14日 | 保健室シリーズ | コメント 0件 | トラックバック 0件 | トップ

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