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第一話「CALL ME」 (1)

いきなり連載スタート。
大丈夫、これはもう全部できてるやつだから。
途中で終わったりしません(`・ω・)アンシン!
全部載せるのは長いし、このブログが早い段階で終わってしまうので、小出しにしていきます(ぉ

やっぱり百合です。そして、えろです。ダメな方はゆーたーんですよ!!
でも今日載せる分は、序盤なのでえろまで突入しませんが。あは。
なので、うちのSSの傾向を知る、「試し読み」として見ていただけるといいかもしれません。

では、追記からどぞ!





CALL ME


コンコン、と白い扉をノックして、すぐに横に引く。
「失礼しまーす」と適当に挨拶をすると、正面の机に座っていた先生が顔を上げた。

「はいはい、今度はどうしたの?」
「あー、そんな“またですか”な態度、ヒドいよー?」

後ろ手に扉を閉めながら、入ってきて早々文句を垂れる。
冬の廊下はとても寒くて、暖房をしていない保健室でも、暖かいと感じた。

「あなたは、本当にここを利用しすぎなのよ」

先生は立ち上がって机を回り、私が座った丸椅子の前に来た。
見上げた顔は、とても呆れていた。美人が台無しだ。

「仕方ないじゃん、怪我しちゃうもんはさ」

養護の久保先生は、白衣の似合う綺麗な人だ。本気で狙ってる男子も居る。
校内では一番若いからか、男子だけでなく女子にも人気があって、みんな友達のように接している。
そういう私も、こうしてよくお世話になっている。

「で、何してて、どこを怪我したの?」
「んー・・・」

擦り剥いた膝を見せながら、言葉は濁した。
だって、言ったら、また呆れられる。

「正直に言わないと、消毒してあげないわよ」

大人の女のオーラを出しまくってるくせして、こんな子供じみたことを言う。
そのギャップも、人気がある理由の一つだった。

「いいよ、自分でするから」

拗ねて、そう言ってはみるが。

「不器用な黒木さんが?」
「う・・・」

以前、同じような怪我をして保健室を訪れたときのことだ。
私より酷い怪我をした男子が居て、先生はそっちの方についていたので、自分で消毒をしようと思い立った。
消毒液の染みた、丸く小さい脱脂綿をピンセットで取り出し、傷口に当てようとした、が。
落ちる落ちる。何度やっても、傷口に当たる前に落ちるのだ。
気付けば、十数個の脱脂綿を床に散乱させていて、先生に怒られた。
そう、私は超不器用女の子だったのだ。

「ほら、言ってみなさい」

足元にしゃがみこんで、俯いていた私の顔を覗き込む先生。
カウンセラーのように諭すその言葉に、自然と私は口を開いてしまう。

「男子と、ちょっと」
「ちょっと?」

はっきりしない私の説明を聞き返しながら、先生は(私から見れば)器用にビンからピンセットで脱脂綿を取り出していた。

「・・・喧嘩?」

ぽんぽん、と傷口に優しく脱脂綿を当てていた手が止まる。
予想通り、私を見上げる先生は、一等呆れた目をしていた。

「あなた、高校生よね?」
「もちろん」
「女の子よね?」
「見れば分かるでしょ」

そう言ったら、はぁ、と深い溜め息を吐かれた。
消毒液で濡れた膝に息がかかって、少しくすぐったかった。

「いつもみたいに、体育とか家庭科とかでならまだしも、男の子と喧嘩って」
「それは男女差別だよー。女子だって喧嘩するもん」

実際、ここに居る。

「何が原因で?」

脱脂綿を捨てて、絆創膏を私の膝に貼りながら、先を促される。

「べっつに」
「そういうこと言うと、この先の黒木さんの怪我は一切診ません」
「それは、困る」

即答した。
この先も何度怪我するか、その回数は未知数だ。その上、私は自分で治療ができない。
つまり、困る。

「でも、言ったら、また先生を呆れさせる」

唇を尖らせてそう言うと、先生はそれこそ呆れたように、けれど優しく微笑んだ。

「今まで、何度呆れさせたと思ってるの?」

身も蓋もない言い方だけど、本当に、その通りだ。
今更気にしたって、遅いのに。

「ねぇ、先生は、いつファーストキスした?」
「え?」

突然すぎたのか、一瞬困惑したような表情をした。
それでも、すぐに意味を理解して、記憶を辿り始める。

「確か・・・、中学二年生、だったかしら?」
「そうだよねぇ、先生だもんねぇ・・・」

昔からモテていたんだろうな。彼氏なんて当たり前のように居て。
反面私は、当たり前のように一度も居たことが無い。男子はいつだって、“友達”だった。

「それが、喧嘩の原因に関係あるの?」
「ん・・・、からかわれた・・・」
「なんて?」
「キス、したことないって・・・」

彼氏が居たことの無い私が、したことがあるわけない。
さっきの出来事。
休み時間中に、友達と何を話していたのかは忘れたけど、男子が口を挟んできて。
キスがどーのこーのって話になって、私がぽろっと、したことないって言ったら、笑われた。
高二にもなって、したことないのかって。女子は庇ってくれたけど、男子ってヤツはそういうことに食いつく馬鹿だ。
最初は軽く反論するだけだったのが、しつこいのでだんだん腹が立ってきて、つい殴ってしまった。
その勢いが止まらなくて、挙句蹴っ飛ばし、逃げるのを追いかけ、転んだ。
とてつもなく恥ずかしく、擦り剥いた膝が痛く、ここ保健室に向かう際に、捨て台詞として「キスの何がえらいんだ!」と言ってきたことを掻い摘んで説明した。

「何してるんだか」
「ごもっとも」

わかってる。自分がどんなにくだらないことで怒ったかぐらい。
だけど、やってしまったものは仕方ない。腹が立ったことは、抑えようもなかった。

「そういうわけで、教室に戻る気にはなれないので、ここでサボります。起こしてね」

三限の授業開始のチャイムは、とっくに鳴っていた。と言っても、十分程度しか経っていないから、思いっきり眠るつもり。
椅子から立ち上がって、ベッドの方へ行き、仕切りのカーテンを閉める。
もぞもぞ布団の中にもぐり、カーテン越しに先生に「おやすみなさい」を告げて、いざ夢の中へ。
行こうとしたが、それは叶わなかった。

「キス、教えてあげようか?」

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2009年01月17日 | 保健室シリーズ | コメント 0件 | トラックバック 0件 | トップ

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